自己を知ることは大切ですね。

いやはや、先日の日記から幾年月が経ってしまいました。実は、一真工房、総出で催事だったのです。つまり、実際に実演なども踏まえて、着物を売りに行くということです。今回はうちだけでなく、幾つかの企画と同じ会場で皆さんとお会いしてきました。そこで感じたことは様々なので、少しずつ書こうと思います。

ズッコケ話はひとまず置いといて・・・(笑)

まずは。。。

これは、たくさんのお客様を見ていて感じたことですが、失礼ながら自分の感性を信じていない方が非常に多いと感じました。

そう感じたのは、他の企画の着物を着せられているお客様の顔です。

少しも嬉しそうじゃないんですよね。でも周りからは、すばらしい!!貴女にはこれがピッタリ!!の大合唱。

その大合唱が正しいかどうかは時によりますが、そんなことより、今回見てるには大抵の場合、お客様自体が納得していないんですよね。それでも1時間も2時間も「似合ってる」と言われれば、段々そう思っていってしまう。そして買う。

正直無理もないかなと思います。たとえば洋服なら自分の考えがあっても、着物だと「何が正しいのか」、とか、「着物の場合は何が自分に似合うのか」というのを考えてしまうんでしょうね。どこかの国の民族衣装を並べられたら、どれを着るべきか迷ってしまうのと同じです。

でもやはり少し悲しいです。ついつい、若いのに黒や茶の地味な着物を着せられていたり、お年を召した方に寂しげなグレーやブルーを着せるのを見ると、物悲しくなります。勿論、それがお客様の趣味ならそれが全てですし、今回の催事では私も黒地の着物を21歳の子に持って帰っていただきました。ただし、それは、お客様の雰囲気を見て、柄行を見た上でそうしています。

一番悔しいのは、そうやって他で買っていったお客様が、うちの前を通るときに、「あら綺麗!!」「こっちにこんなのがあったの知らなかったわ」と言って、名残惜しそうに帰っていかれるときです。そんなのが結構あるんですよね。

うちのを気に入らない方は、残念ですがそれで構わないと思います。ただ、自分の価値観をしっかり持っていただきたいのです。

「自分は?色しか似合わない」という方もそうです。着物の色は12色のクレパスじゃありません。本物の職人は、何万色という中から目の錯覚のような誤差も修正して染め上げた着物を作っています。それに、私の見たところ、そういうことを言われる二人に一人は、うちの着物を着て価値観を代えて、そのまま持って帰っておられます。

自分の価値観は持ちながらも、それに固執せず、柔軟にご自分の着物を見つけていただければ、私も嬉しいです。そして、これはうちの母の口癖ですが、女性は華であることを、一生忘れずに。

この写真は、自称29歳の私の母です。国内線も、参観日も29って署名してました。私は、26です。と、載せようとしたら、容量オーバーでした(笑)また載せますね☆

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