テーマ・技術

 

 

まずは、「風彩染」の、「風」というものと、歴史的意義のお話です。

風というテーマぼかし染めと日本人

「風彩染」というこの工房でしかない「ぼかし染め」を施しております。

「風」のつく言葉は、全国に2000あると言われます。また、日常でも、「あの頃の風を感じる」や、「風向きが変わった」など、物質以上の意味を込めて使う言葉は、風以外にはちょっと思いつかないのではないでしょうか?そして、そういう表現は日本にしかありません。

「風」と言う言葉は、日本人にとって、とても大切な言葉なのです。

「風」とは「自然の風」でもあり、「心の風」という意味もあるわけです。

ぼかし染めとは


古典であること

1200年続くのが、ぼかし染めです。最古のものは正倉院にあります。平安時代に生まれた『源氏物語』などに表現される「あさぼらけ」のような、はんなりした雰囲気を具現化するには、ぼかし染めは欠かせません。お茶席では、ぼかし染めが最上と言われた時代もあり、裾のぼかしを「すそご」、全体のぼかしを「むらご」と言ったようです。

着物の技法も様々ありますが、金彩にしろ、ロウケツにしろ、絞りにしろ、「ぼかし」を無視した作品に、情緒や優しさを感じることは難しいように思います。

日本人に染みついたもの

言葉遣い一つも、何もかもはっきりモノ申す言い方を我々はしません。どこか、「ぼかす」わけです。それは、日本人の自然と一体の建築や、寺でも神社でも同時に受け入れる曖昧さなどとも繋がることかと思います。日本人の心のふるさとが、この「ぼかし染」なのだと思います。