着物の値段2

着物に限らず、芸術作品は、とっても値段が曖昧なものです。

先日、浅草の、えどこまちというお店に行きました。

とっても、素敵な方たちに、出会えました。
お客様も、店員さんも。

その中の、セレブなお客様が、

「今まで何千万と着物を買ったけど、初めて自分の好きになった着物に出会えた。」

と、作品を見て、15秒でお嫁入りを決めてくださいました。

 

嬉しいですよ、それは。

でも、まあ、僕の話は、全然聞かなかったですよ(笑)

それでも、なんか、気持ちよかった。

自分の感性を信じて、持ってくださってるんですよね。

昔、初めて呉服屋さんに入ったとき、その空間に違和感を抱いたんです。

店員さんが、すっごく勧めて、大して欲しくないものを買ってしまった、なんていうお客様もたくさん見ましたから。

それから、たくさんのお客様と出会ってきて、

そういうお客さまって、財布に少しばかり余裕のある方だけやったんやなって知りました。

逆に、そういう余裕の無い方は、本当に惚れていないと、絶対に持つ気にはなられません。

だから、結局、女性って、ご自分の感性で選んでいらっしゃいますよね。

なので、着物の値段が、作り手の元値に対して、問屋の掛値があって、小売の掛値があって、あの値段になるのは当然なのですが、

着物に(着物だけじゃないかもしれないけれど)変なプレミアムつけて、芸術性の部分を理解しているわけでもないのに、ネームだけで値段跳ね上がらせたりする小賢しさを見ると、

なんか、余計なお世話やなと思う(笑)
そんなに、着物を買う人は、バカじゃない。

ただ、「値段で着物の価値を計る馬鹿な人、プレミアム感を追っかける馬鹿な人と、それを見て、おいしいと思う、馬鹿な商売人が、そういう値段の付け方を存在させているんやろうなあ。」と思います。

勿論、僕だって、プレミアムに弱い日本人の一人ですがね(笑)つい、職人としての手間でも見ちゃう(笑)手間だけで決めちゃイカンですけどね、手間かけまくっても、あかんものは、あかんのやから。

だから、

僕らが着物にかけた想いを聞いてくださる方々、とても、とても、ありがたく思っています。

そして、全く聞かない方、ある意味頼もしく思っています(笑)

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