風彩染
「最初の想い」
自然そのものを描こうとしました。
それは、木なのか、雲なのか、水なのか。
出した答えは、「風」でした。
景色には、「風」がある。
そして、目に見えないはずの風の形を心に問いかけ、
「風彩染」が生まれました。
無限の可能性を持ちます。
例えば一見、似てそうな表現の「水」ですが、
風にはそれがありません。
人は、「時代の流れ」を「風」と言います。
自分を包む、包んでいた空気を「風」と言います。
「風」は、世界そのもの。
つまりは、「自分」そのものなのです。
四代目洋平は、この風彩染を、そう考えています。
繊細な絵を描くためには、文様を描く「糸目糊」では、限界があります。
そのための技法、墨描きの「カチン描き」。
京友禅より古く、桃山時代の描法と言われます。
カチン描きの細かさはこちらから。
その技法により、超細密な景色を描き
ここにしかない風を吹かせたならば。。
そこはもう、風の吹く国。
『訪問着 美。日本』
30色使えば大作と言われる友禅の中でも、180色使ったもの。
「剣先」という胸元の部分は、柄を描くのも避けられるほど、柄合わせが難しい場所を、さも当たり前に、しかも、ぼかしの技法で繋がるように描いた、驚天動地の技量は手前味噌と言われようと、京都広しと言えど、そう出来るものではありません。
濡らしてしまえば、キリの良いところまで終われないのが風彩染の濡らして染める手法のため、休憩ができず、完成後内臓疾患で倒れた師匠の話。
どれをとっても、ここにしかない逸品です。
180色を用いたお着物、すべての合口が合っているお着物は、日本広しと言えども、他にありません。
着物は、最初から着れる形になっているわけではなく、一反の生地に描いて、後で縫います。
絵柄が縫い口で続く着物の場合は、柄の色合い、線の若干の太さ加減など、技術が必要となりますから
同じ色を使っても、同じ筆を使っても、繋がるように描くのは一つの高度な技術なのです。
濡らして描く風彩の訪問着ならなおさらです。
ただし、風彩染は最大180色使います。
これは、京友禅の訪問着、6枚から8枚分に相当します。
その大変さは、「深さ」となって、現れます。
具体的な数字かと思います。
「固い帯は締めにくい」と言います。勿論それは常識です。
ですが、それだけじゃないんです。
固い帯、ごわごわした帯、それは、
「お着物を傷める」のです。
では、どういった生地が良いか。
これは、正確には、
「その材質の帯を、何十回も締めるしかない」のです。
だから、絶対に安心していただけます。
なぜなら、300回試して、その結果、選んだ帯地だからです。
また、風彩の帯は、本当に使いやすい。
そういう染にしてあります。
どんな工夫があるか。
どれだけ、愛してもらえる一枚になるか。
まずは、体験してみてください。
一貫制作へのこだわり
京都は、分業制が一般的です。
京友禅京友禅・加賀友禅・辻が花・ロウケツ・濡れ描き・水墨画など。
想いを形にする為に、一つずつ学び、増やしていったその歴史が、
一真工房を異色の工房に押し上げました。一真工房ほど多くの表現を持つ工房は、他に類を見ません。
それは、着姿も多彩になるということです。
女性が、ただ美しいだけでなく、様々に遊べたり、お洒落できる。
そして、何十年着ても飽きがこず、いつも人の気持ちを和ませ、貴方様と共に歩むお着物になります。
「ほんまもん」というのは、「その方の美しさを引き出し、その方を引き立てること」だと考えます。
「花」は、着物ではなく、貴方ご自身なのですから。