風彩染の「風」とは??
平安時代から続く「ぼかし染め」という技法。日本の「あさぼらけ」のような、ふんわりした雰囲気を表現するために生まれたといいます。いわゆる、グラデーションです。
生地を濡らしながら、刷毛や筆で染める技法で、「濡れ描き友禅」とも呼ばれます。
刷毛で染める昔ながらの手染めだからこそ、風彩染の着物には、証紙が付きます。(伝統的工芸品産業の振興に関する法律により経済産業大臣が指定した伝統的工芸品につけられる証紙で、「伝統証紙」といいます)
それを、「風」というテーマの元、色数多く、いくつかの秘密の技法をもって発展させたのが『風彩染』です。
写真は、特に色数の多いものです。通常の京友禅が20色程度で大作を染めるのに対して、180色使ったものとなります。
「風の彩を染める」、という名前ですが、それは、自然の風だけでなく、その方の雰囲気のようなものと考えています。
人それぞれが持つ、心の形。それは、人生が織りなすカタチであり、風彩染は、それを色や形に置き換えたものだと思うのです。
それが、「風」と僕らは呼んでいます。
いえ、もともと「風」とは「気風」と書いて「かぜ」と読んだそうなので、その考え方は古来からの日本人特有の捉え方なのかもしれませんね。
その風を表現するのが、風彩染。
貴方が、貴方の風を纏い、よりシンプルに、
より、ストレートに、
「貴方らしく」を表現すること。