洋平の着物をお持ちくださっているご夫婦の結婚式に呼んで頂きました。
着物作家は、出張と共に、一期一会の出逢いになります。
もしかしたら、二度と出逢えないことも。
でも、何度も出会えて、そして、こんな大切なシーンにお呼びいただけて。
この日の為に洋平のお着物をご友人も、お店のメンバーも、社長までもがお誂え下さいました。もともとお持ちの方も、着て来てくださいました。
着物は、誰が着るかでその姿を変えます。
誰かの人生に深く関わるものです。
もう、本当に、着物作家冥利に尽きると思うのです。
どんな権威よりも、どんなことよりも価値があると思うのです。
お色直しで、退場の後、テロップが流れました。
「お色直しの衣装を染めてくれた作家さんが来ています」と。
まさか、まさかの、お色直しはお二人とも僕のお着物でした。
この日のために、特別誂えしてくれた着姿。
指輪も、角袖のボタンも、全てが着物に合わせてオーダーメードの。
「洋平の染めの魂を継いでいけるように。」
と新郎が言ってくださいました。
お二人の姿を見て、胸が一杯で涙が出そうになりました。
大切な大切な場所での着姿。
一着のお着物を染めることの大事さと、怖さ。
本当に、魂込めたものを創った自負が無ければ、とてもそんな場面で着ては頂けません。
着物作家とは、出逢った人に作家にして頂くのだと思います。感謝です。