代々受け継がれるもの

明治元年創業。
日本で唯一「風」をテーマにした手描き着物工房です。その技法は、「風彩染」の名前で、国に登録されております。
1200年の「ぼかし染め」の歴史で、この工房にしかできない「ぼかし染め技法」を編み出しました。
「ぼかし染め」はその歴史が深すぎて、基本的には商標登録を得られません。
しかし、一真工房は、「風彩染」という登録を取得することが出来ました。それは、本当に独自の染めだから。「風」の着物は一真工房しか名乗ることは出来ません。

分業制の京都では珍しく、図案を描き、染め、販売、着付けやお出かけ、見学での勉強会まで一貫して行います。

初代、臼井利三郎は、明治元年に職人としての道を歩み出しました。江戸の名残も濃い東京で活動したと伝えられています。

二代目加藤光三(みつぞう)は、加藤光染工を設立。卓越した手描きのセンスから、数々の作品を生み出しました。その作品のほとんどは世間で販売され、加藤家に残るものは、娘たちに創った数点の着物と、工房に所蔵される屏風のみです。
その卓越したセンスと技量により、風彩染の原点である技法を発想しましたが、「祇園での飲み代を稼ぐ為に手描きの浴衣を染めて小遣いにしていた」というユニークかつ生来のめんどくさがり屋の為、次の代に示唆して自身は気の向くまま作品を染めました。

三代。この代は、染色に関わった人間が最も多い世代となります。
加藤家の多くが染色に携わりました。
多くの分家がありましたが、みな引退したり鬼籍に入ったり。

その中で、「着物作家」として製作するのは、三代加藤一真・一真けいこ・加藤富士子の時代。

他の工房には染められないことが一目で伝わる、自然美を圧倒的な技量と感覚で染め上げる、景色の着物「細密友禅」を筆頭に、多くの着物ファンを獲得し、日本で最も有名な着物作家の一人になりました。
その技法を支えるのが、自然そのものを描こうとしたぼかし染め「風彩染」です。

賞歴としては、「京都府知事賞」「京都新聞社賞」「京都商工会議所会頭賞」「京都新聞社賞」「京都市産業技術研究所所長賞」「京友禅協同組合連合会賞」など多数受賞。丹後ちりめんの里、京都府加悦町には、『千年椿』の大振袖が二作品所蔵されています。紅白歌合戦のお着物として中村美律子様がご着用されたお着物は、20年ほどたって、先日また着てらっしゃるのを拝見しました。『黒革の手帖』での米倉涼子様演じる主人公(でんぐり返り)のシーンでの『ローマ水道』のご着用も、いまだに覚えておられる方もいらっしゃるようで、ドラマの中で最も上り詰めたシーンにあてがわれたことは、ありがたく存じます。

現在は、四代目洋平も活躍する時代です。

元々漫画家で、『週刊少年ジャンプ』に担当がいて、幼少期から「ぼかし」の絵が好きだった洋平には、風彩染と、細密友禅の作風は、自身も大好きで尊敬を抱く技法でした。
着物を大切に染め、工房見学や体験、お出かけ会や着付け教室を発足し、数々のメディア取材に繋がりました。
また、その物語溢れる作品は、先代たちとは違う世界を当初から広げていきます。

加藤富士子の「センスが良ければ、モチーフは選ばない」という言葉通り、自由に染めれたこと。また、それを自ら販売の現場に赴き、多くのフィードバックを得れたことも、、洋平の才を伸ばすのに役立ったことでしょう。

2016年にはLEXUSから四代目洋平が京都の匠として都道府県の代表に選ばれ、レースカーテンや暖簾、日傘など、従来の手描き着物作家では製作できない技術を確立しました。
2025年には、大阪関西万博にて、着物作家で唯一特集を組まれました。
テレビドキュメントはNHK世界放送(世界13か国)など、多数出演。
2022年には、フジテレビのドラマ、日本最高峰の着物を着る『やんごとなき一族』で土屋太鳳様、松本若菜様、木村多江様ご着用くださっています。
タカラヅカ歴代トップスター様や、様々な芸能系の方にもご愛用頂きつつ、全国津々浦々の方々に、「着た方が幸せになるように」と心を込めて着物を製作しています。
近年だと、年間20枚の完全オリジナルオーダーのお着物が人気となり、2022年には朝日新聞全国紙やNHK『京コトはじめ』他、様々なメディアで取り上げられています。
また、アニメやゲームのお着物を公式に製作する依頼も多く、「推し着物」の制作も、元漫画家の四代目が愛をもって染めることが出来ます。
図案から仕上げ、そしてコーディネートまで出来る、京都でも稀有な作家工房です。

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