コロナ緊急事態宣言状況下における、着物業界作り手の現状

今日は、二件職方さんを廻って来ました。

  • 一つは「ひき染め屋さん」。これは、無地の部分を染める専門職。大きいぼかし染めなんかもしはります。
  • もう一つは「捺染屋さん」。これは、型染めの職人さん。一真工房は手描きの工房ですが、型紙使わないと出来ない表現があるので、そういうのしたい時は、お願いします。

ひき染めは欠かせない工程

こういうのは型染の役目

 

 

どちらも休業中。どちらも、京都中から生地が集まって、着物作家や問屋さんから集まって、自分の専門仕事をして生計を立てる方々が、生地が全然ないわけですよ。

 

そりゃあそうで、僕らが少なくとも6月まで催事が無くなってるもんやから、作るわけにいかない。ましてや休業までしてますからね。

生地を出す余裕は無いわけです。対面接客の呉服は、どうしようもない。

 

  • そんな最中、最前線の呉服屋さんの対応は、催事は中止だが、作品は借りて、いらっしゃった方に販売。
  • 催事決行。
  • 催事の日をずらす。

の三つに分かれました。

  • 作品だけを借りてる催事場では、作家がいないと普通は全く送り損になるのですが、この催事場は指折りの凄いところだと思っていたので、期待通り、頑張ってくださり、初日、成果も出たようです。感動。。。自分がいないところでやって下さるなんて、うおー。。。って思います。
  • 催事決行。本来、生計を立てるにあたっては、一番有り難いのですが、モヤッとします。単純に、この最中、して良いのか?です。自分の意識も変わってきてるなと思います。3月頃なら、催事始まったし、嫌やけど、予防はしつつ、最大限頑張ろうって思えてたんですけどね。今は、その時とは段違い。そもそもお客様は足を運ぶのか?っていう問題もあります。爆発的に収束すれば良いんですけどね、催事予定日のあと3週間でそれはないでしょうから。緊急事態宣言も延期にならんとも限らんし。
  • 催事日程ずらす これも、ありがたいなと思いました。一年の計画、調整しなおすなんて、物凄く難しいことですけど。断らなきゃなところも逆に出るかもしれないし、それによって、良い作家さんのスケジュールがおじゃんになるかもしれないし。でも、今回のあおりを受けた工房って、取り戻すことが出来ないし、大体そのお店に行けるのは1年以上後なんですね。(ちなみに僕なら、3年先までスケジュールが入っています。)なので、そうまでして、スケジュール組み直してくれるのは、ありがたいなあって思いました。

そんな京都です。デリバリーに切り替えたいし、オンラインで着付け教室やりたいですけどね、あいにく、今の所それはない。精度も下がりますから、あんまり良い手とも思えないんですよね。やるなら、その分値段を安くすることでバランス取るしかないですけど。

最初にご紹介した純然たる職人仕事のとこは、余計無理です。まあ、みんな手に職あるから、生み出せるだけましですけど。

さて、頑張ろう。頑張りますからね!!応援よろしくお願い致します!!

着物染め風景

是非、一真工房をご利用ください☆

コロナが明けるまでは、工房見学などは出来ませんが、オンラインショップ等ございます。よろしくお願い致します。また、コロナが空けた折には最新情報をお伝えいたしますので、着付け教室等のご連絡もお待ち申し上げております。

さて、この記事から4カ月。一真工房はどうしているかと言うと、

バリバリ元気ですっ!!

しかし、作り控えはありました。催事がどうなるか分からないから。今は、催事も影響ありつつも、たくさん予定がされていますから、作っています。そして、何より助けられたのは、溜まっていたオーダーメイドです!!

多分、僕、日本で一番オーダー受けている催事作家なのではと思うくらい、3カ月で30とか受けていました。

ぶっちゃけ、催事に出ている作家さんのほとんどは、自分で染めたり織ったり出来ません。

なので、イメージも見積もりも出来ない人がほとんど。特に若い作家(?)は。

しかし、僕は、オーダーメードが大好き!!

オーダー図案を見せ合いっこ中のお客様

そのご注文頂く時の嬉しそうなお顔!!そして、未知のインスピレーションと、冒険!!これぞ、着物作家のロマンです☆この注文の仕上げと収入で、助けられました。ちなみに、国からの補助金にも助けられました。腐るものでなかったことや、家賃が発生しないことが大きいです。

 

コロナと言うのは、過酷なものです。そして、改めて、自分がずっと抱えていたものを露わにしました。

これは、仮死体験に近いのだと思います。僕は、24の時に重病を患いました。もう死ぬと思っていました。残りの寿命は半年だと。しかし、その時、残りの半年でしたいことが見えました。そして、その病が完治した時、世界に色が付いた感覚を覚えています。それに近いのです。

これは、周りがコロナにかかっていないから言えることです。平和で健康だから言えることです。

でも、健康でいれている以上、確かに気付かなくてはならないことなのです。

今、新しい挑戦しています。その発表は一年以上先になるでしょう。

 

 

 

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