こう言ってはなんですが、着物の値段の付け方は、滅茶苦茶です。
適正価格って言葉、知ってるんでしょうか、この業界は。
いえ、絵画と同じようなもので、値段は物凄く付けづらいものです。
染料も、生地も同じなら、あとは何処で?
技術?
技術があってもセンス無かったらダメでしょう。
着姿?
センスあっても、それが非常に単純な作り物だったら?
難しいものです。
結局は、自分で納得したり、ほれ込んだら、それが最高級品だとは思うのですが。
いかんせん、着物は高い。
だから、アンティークやプロパー、ワケあり品などが手に入れやすい。
気分が味わえる。
まずは、第一歩目、いきなり高い着物なんて、買えないから。
ずっと前から思ってましたが、一歩目で止まるんじゃないでしょうか?
二歩目は、誰かが手を差し伸べないと、進めなくないですか??
親だったり、祖父母だったり、知ってる人。
創ってる人。
さっき、「10万以内の着物」というのを見つけました。訪問着でした。
どなたかは知りませんが、ちゃんとした職人さんが、今の時代を考えて、シリーズで、創られたみたいです。
「値段を含めて、本当の意味で、普段着の着物」と銘打ってはりました。
大切なことは、そんなことじゃないと思います。
確かに僕らは、薄利でならば、10万あれば、着物を創れます。
でも、それは、もっと、もっと、本当の着物を創った上で、10万で売り出すべきです。
今の、アンティークや、プロパーの着物にも遠く及ばない、中途半端なものを創って、利益をそれなりに取って、利点は「手描き」だけ。
それでは、今の時代の流れに乗ったのではなく、負けただけだと感じました。
「手描き」は、お金も時間もかかるんです。
印刷で創った、裏を見れば真っ白の振袖や、着物に、どうやって、価格競争するんでしょうか??
マクドナルドは外食産業で大成功してますが、それを真似てどうするんですか??
もともと、職人達は、特別なコネを持った人以外は、薄給で頑張ってきたのでしょう。
職人は、それでも良いものを創る意地があるから、カッコいいんじゃないですか。
その職人が、そのままの作品を創り続けて、その上で、今よりもうちょっとまともにお金の入る業界になるから、「報われる」って言えるんじゃないですか。